失業給付とは何か

失業給付(正式名称:雇用保険の基本手当)とは、雇用保険に加入していた人が失業した場合に、再就職するまでの生活を支えるために支給される給付金です。一般的に「失業保険」「失業手当」とも呼ばれます。

重要な点は、この給付金は「失業中にもらえるお金」ではなく「再就職活動をしている人が受け取れるお金」だということです。つまり「働く意思と能力がある」ことが受給の条件になっており、病気や育児でまったく働けない状態は対象外になります(その場合は傷病手当金など別の制度が適用されます)。

失業給付は非課税所得のため、受け取っても所得税はかかりません。ただし退職後は健康保険・国民年金への切り替えが必要で、これらの保険料は自己負担になります。

💡 派遣・パートでも対象になる

週20時間以上・31日以上継続して働いている場合、雇用保険に加入しています(会社が加入義務を果たしていれば)。正社員と同じ基準で失業給付を受け取れます。給与明細に「雇用保険料」の控除があれば加入しています。詳しくは派遣・非正規の転職ガイドをご確認ください。

💡 失業給付と傷病手当金の違い

体に症状が出ている(うつ・適応障害・バーンアウトなど)場合は、在職中に傷病手当金の申請を先に行う方が有利です。傷病手当金は最大18ヶ月・給与の約3分の2という水準で、失業給付より手厚い制度です。詳しくは傷病手当金の解説ページをご確認ください。

受給できる条件

失業給付を受け取るには、2つの基本条件を満たす必要があります。ひとつ目は「雇用保険の被保険者期間が一定以上あること」で、ふたつ目は「ハローワークで求職の申し込みをして積極的に就職活動をしていること」です。

被保険者期間の条件は退職理由によって異なります。自己都合退職(転職・一身上の都合)の場合は、離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上必要です。会社都合退職(倒産・解雇・リストラ)や正当な理由のある退職(ハラスメント・賃金の大幅な切り下げなど)の場合は条件が緩和され、離職日以前の1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給できます。

⚠ ハラスメントによる退職は「正当な理由のある退職」になりうる

パワハラ・セクハラ・長時間労働・賃金未払いなどを理由に退職した場合、「特定理由離職者」または「特定受給資格者」として認定される可能性があります。この場合、自己都合退職より有利な条件(給付期間の延長・給付制限の免除)が適用されます。退職前にハローワークに相談しておくと手続きがスムーズです。

いくらもらえるか——月収別の目安

失業給付の金額は「基本手当日額」という1日あたりの支給額で決まります。基本手当日額は、離職前6ヶ月間の賃金総額(ボーナス除く)を180で割った「賃金日額」に、給付率(約50〜80%)を掛けて算出します。給付率は賃金が低い人ほど高くなる仕組みで、低所得者への配慮がされています。

2025年8月1日から基本手当日額の上限額が改定されました。2026年現在も同じ金額が適用されており、30歳未満は1日あたり最大7,255円、30〜45歳未満は8,055円、45〜60歳未満は8,870円、60〜65歳未満は7,623円が上限です。

月収別・失業給付の月額目安(自己都合退職・30〜45歳未満の場合)

月収40万円以上の場合(上限) 約24万円
月収30万円の場合 約14〜15万円
月収25万円の場合 約12〜13万円
月収20万円の場合 約10〜11万円
月収15万円の場合(派遣・パート等) 約9〜10万円

※賃金日額に給付率(約50〜80%)を掛けた概算です。実際の金額はハローワークで確認してください。傷病手当金(給与の約3分の2)と比べると低い水準になります。

何日間もらえるか——給付日数

失業給付を受け取れる日数(所定給付日数)は、退職理由・年齢・雇用保険の被保険者期間の3つで決まります。自己都合退職の場合は90〜150日、会社都合退職・ハラスメントなど特定受給資格者の場合は90〜330日とより手厚くなっています。

退職理由 被保険者期間 給付日数
自己都合退職 1年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日
会社都合・特定受給(45歳未満) 1年未満 90日
1年以上5年未満 90日
5年以上10年未満 120日

給付日数を使い切る前に就職が決まった場合、残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていれば「再就職手当」として一括で受け取れます。残日数が3分の2以上なら給付残額の70%、3分の1以上なら60%が支給されます。早く就職が決まるほど得になる仕組みです。

いつから受け取れるか——給付制限の変更【2025年4月改正】NEW

退職してからすぐに失業給付が受け取れるわけではありません。まず7日間の「待期期間」があり、その後に離職理由に応じた「給付制限期間」が続きます。

2025年4月に重要な法改正がありました。自己都合退職の給付制限期間がそれまでの2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。これにより、自己都合退職した場合の最初の振り込みが、手続きから約2ヶ月後に早まりました(従来は約3ヶ月後)。

退職理由 待期期間 給付制限 初回振込目安
自己都合退職 7日間 1ヶ月(2025年4月〜) 手続きから約2ヶ月後
会社都合・特定受給資格者 7日間 なし 手続きから約1ヶ月後
正当な理由のある自己都合(ハラスメント等) 7日間 なし〜1ヶ月 ハローワークで確認
派遣の雇い止め・契約期間満了 7日間 なし(特定理由離職者) 手続きから約1ヶ月後

💡 給付制限中の生活費をどうするか

自己都合退職の場合、手続きから最初の振り込みまで約2ヶ月かかります。この間の生活費として、退職前に2〜3ヶ月分の生活費を貯めておくことが理想です。体に症状が出ている場合は傷病手当金(在職中に申請)を先に利用する、または在職中から転職エージェントに登録して退職後すぐに就職活動を始めるという選択肢もあります。

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申請の流れ

1

退職後に会社から書類を受け取る

「雇用保険被保険者証」と「離職票(2枚)」を会社から受け取ります。通常は退職後10〜14日以内に届きます。届かない場合はハローワークに相談できます。

2

ハローワークで求職申し込みと受給資格の確認

住所地を管轄するハローワークに出向き、求職の申し込みと雇用保険の受給資格確認の手続きをします。持参するものは離職票・雇用保険被保険者証・マイナンバーカード(または個人番号通知カード+身分証)・写真2枚・本人名義の銀行口座の通帳またはキャッシュカードです。

3

7日間の待期期間

ハローワークで受給資格が確認された日から7日間は「待期期間」として給付が出ません。この期間中にアルバイトをすると待期期間が延長されるため注意が必要です。

4

雇用保険受給者初回説明会への参加

ハローワークが指定した日時に説明会に参加します。「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が交付され、第1回の失業認定日が設定されます。

5

4週間ごとの失業認定と振り込み

指定された「失業認定日」にハローワークへ行き、失業状態にあることと求職活動の実績を申告します。認定日から約5〜7営業日後に口座へ振り込まれます。

退職後にやること・転職活動との両立

失業給付の手続き以外にも、退職後に必要な手続きがあります。健康保険の切り替え(退職日翌日から14日以内)・国民年金への切り替え(同14日以内)・住民税の支払いなどです。早めに確認しておいてください。

失業給付を受けながら転職活動を始めることができます。転職エージェントへの登録・面接・求職活動は「求職活動の実績」としてカウントされます。就職が決まった時点で給付は終了し、残日数に応じた「再就職手当」の申請が必要になります。

よくある質問

在職中から転職活動を始めても失業給付はもらえますか?

在職中に転職先が決まった場合、通常は失業給付を申請しません。失業給付は「失業状態」にある方が対象です。在職中に転職先が決まれば、空白期間なく次の職場に移れるためより有利です。

失業給付をもらいながらアルバイトはできますか?

条件付きでできます。週20時間未満の短期アルバイトなら収入に応じた調整のみで給付継続できますが、必ずハローワークに申告してください。週20時間以上または31日以上の継続したアルバイトは「就職した」と判断され給付が止まる場合があります。無申告での就労は不正受給になります。

自己都合退職だと給付制限が3ヶ月と聞きましたが本当ですか?

2025年3月以前に退職した場合は給付制限が2ヶ月でした。2025年4月からの改正により、通常の自己都合退職は1ヶ月に短縮されています。ただし過去5年以内に3回以上の自己都合退職がある場合や、懲戒解雇などの場合は3ヶ月になります。詳しくはハローワークで確認してください。

派遣の雇い止め・契約期間満了でも受け取れますか?

受け取れます。派遣の契約期間満了・雇い止めは「特定理由離職者」に該当し、自己都合退職の給付制限(1ヶ月の待機)が免除される場合があります。ハローワークに「雇い止めだった」と正確に申告してください。

失業給付をもらい終わる前に就職が決まったらどうなりますか?

給付の残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている場合、「再就職手当」を受け取ることができます。残日数が3分の2以上なら70%分、3分の1以上なら60%分が一括で支給されます。早く就職が決まるほど受け取れる総額が多くなります。

離職票が会社から届かない場合はどうすればいいですか?

退職後10日〜2週間経っても届かない場合は、まず会社に確認してください。会社が発行を拒否した場合や連絡が取れない場合は、ハローワークに相談すれば離職票なしで受給手続きを進めることができます。

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