傷病手当金とは何か
傷病手当金は、健康保険の被保険者(会社員・公務員など)が、病気やけがで働けなくなった場合に支給される給付金です。仕事のストレスによるうつ病・適応障害・バーンアウトなど、精神的な疾患も対象になります。「気持ちの問題」ではなく医師が「働けない状態にある」と判断した場合、受給できます。
重要なのは、この制度が「退職後ではなく在職中に申請する」ものだという点です。体に症状が出ているにもかかわらず、経済的な不安から退職を踏み出せない方は、まずこの制度を確認してください。退職する前に休職して傷病手当金を受け取ることで、焦らず次の判断ができる時間が生まれます。
💡 派遣・パートでも対象になる
週20時間以上・2ヶ月を超えて継続雇用されている場合、派遣社員・パートでも社会保険(健康保険)への加入が義務付けられています。給与明細に「健康保険料」の控除があれば加入しています。この場合、傷病手当金を受け取れます。詳しくは派遣・非正規の転職ガイドもご参照ください。
💡 対象となる主な症状
うつ病・適応障害・不安障害・パニック障害・バーンアウト(燃え尽き症候群)・睡眠障害などの精神疾患、および身体疾患全般が対象になります。「仕事のせいで体調が悪い」という状態であれば、まず心療内科または内科に相談してください。
受給できる条件
傷病手当金を受け取るには、以下の4つの条件を満たす必要があります。
健康保険の被保険者である
会社員・公務員など、健康保険に加入している方が対象です。国民健康保険(フリーランス・自営業など)は対象外です。派遣・パートでも社会保険加入なら対象になります。
業務外の病気やけがで働けない状態にある
業務上のケガ・病気は労災保険の対象になります。傷病手当金は業務外の疾患が対象です。ただし仕事のストレスによる精神疾患は、業務外として傷病手当金の対象になるケースが多いです。
連続して3日間仕事を休んでいる(待期期間)
傷病手当金は4日目以降から支給されます。最初の3日間(待期期間)は支給されません。土日祝日も待期日数に含まれます。
休業中に給与が支払われていない
休職中に給与が支払われている場合は、傷病手当金は支給されません(給与が傷病手当金より少ない場合は差額が支給されます)。
いくらもらえるか——金額の計算方法
傷病手当金の金額は「標準報酬月額(直近12ヶ月の平均月収をもとに計算した額)の3分の2」が1日あたりの支給額になります。
傷病手当金の計算例(月あたりの受取額目安)
※ 標準報酬月額÷30×(2/3)が1日あたりの支給額。実際の金額は加入している健康保険組合によって異なる場合があります。
申請の流れ
ステップ1:医療機関を受診する
まず内科または心療内科を受診してください。「仕事のストレスで体調が悪い」「眠れない」「出社前に体の症状が出る」という状態をそのまま伝えてください。医師が「労務不能」と判断すれば、傷病手当金の申請に必要な診断書を書いてもらえます。
ステップ2:会社に休職を申し出る
医師の診断書をもとに、会社の人事・総務に休職の申請をします。就業規則に定められた休職期間内であれば、会社は原則として休職を認める必要があります。事前に就業規則の「休職規定」を確認しておくとスムーズです。
ステップ3:傷病手当金の申請書を提出する
申請書は協会けんぽ(または勤務先の健康保険組合)のウェブサイトからダウンロードできます。申請書には「被保険者記入欄」「事業主記入欄」「医師記入欄」の3つのパートがあります。会社の担当者と主治医に記入を依頼し、揃ったら協会けんぽに提出します。
ステップ4:受給開始
申請から約2週間〜1ヶ月程度で振り込まれます。申請は1〜3ヶ月ごとにまとめて行うのが一般的です。支給期間中は定期的に医師の診断書が必要になります。
⚠ 申請は在職中に行う
傷病手当金は在職中に申請を開始することが基本です。退職してから申請しようとしても、条件を満たしていない場合があります。体に症状が出ている方は、退職を決める前に休職と傷病手当金の申請を先に進めてください。
退職後でも受け取れるか
在職中に傷病手当金を受け取り始めていた場合、退職後も継続して受け取ることができます。ただし条件があります。退職日の前日まで継続して1年以上健康保険に加入していたこと、そして退職日に労務不能の状態であることです。
つまり「休職中に傷病手当金を受け取りながら、体の回復を待って退職する」という流れが、経済的リスクを最も低くする選択肢です。先に退職してしまうと受給できなくなる可能性があるため、順番が重要です。
休職と退職、どちらを選ぶべきか
「休職する余力もない、今すぐ辞めたい」という方もいます。体が限界で会社と連絡を取ること自体がつらい状態であれば、在職中に転職エージェントで次の職場を探しながら退職準備を進めるという選択肢もあります。
一方で、体に症状が出ているが「もう少し時間が欲しい」「経済的に不安がある」という方には休職が有効です。傷病手当金を受け取りながら回復する時間を持ち、体が動けるようになってから次の判断をする。この順番が結果的に転職先の質を上げることにもつながります。
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よくある質問
うつ病・適応障害でも受け取れますか?
受け取れます。精神疾患も傷病手当金の対象です。「仕事のせいで体調が悪い」「眠れない」「出社できない」という状態であれば、まず心療内科または精神科を受診して、医師に相談してください。医師が労務不能と判断すれば申請できます。
会社にバレますか?
傷病手当金の申請には事業主(会社)の記入欄があるため、休職していること自体は会社に伝わります。ただし「どんな病気か」の詳細を会社に伝える義務はなく、「療養のため」という記載で問題ありません。
派遣社員・パートでも受け取れますか?
社会保険(健康保険)に加入していれば受け取れます。週20時間以上・2ヶ月を超えて継続雇用されている場合、派遣社員・パートでも社会保険への加入が義務付けられています。給与明細の「健康保険料」控除で確認できます。
もらいながら転職活動はできますか?
傷病手当金を受け取るには「労務不能」の状態であることが条件です。「働ける状態になった」と判断されると支給が止まります。体が回復してきたら、転職活動と並行しながら徐々に社会復帰を進めるという流れが一般的です。
申請を会社に頼みにくい場合はどうすればいいですか?
ハラスメントがある場合など、会社との連絡自体がつらい状況であれば、社会保険労務士や労働組合に相談することもできます。また在職中に転職エージェントで次の職場を決めてから退職することで、傷病手当金の受給を継続させる方法もあります。